1.大正ロマンの香り漂う日本で初めてのバー
浅草駅から吾妻橋交差点を渡ると、突然現れる重厚な建物。それが今回の目的地「神谷バー」だ。

大正時代の1921年に竣工したこのビルは、今や浅草のランドマークとして観光客に親しまれているが、実は単なる老舗の飲み屋ではない。
関東大震災や戦火をもくぐり抜けてきた「生きた文化財」であり、日本で初めてオープンしたバーとしても知られている。

目を引くのは、丸窓と当時流行したスクラッチタイルの外壁、レトロな看板だ。
遠目では無骨な印象だが、近づくとその造形の細やかさに驚かされる。
設計・施工を手掛けたのは今や日本を代表する建設会社である清水建設(当時は清水組)で、左右対称の構成にアール・デコ風の意匠が散りばめられているデザインが味わい深い建物となっている。
2.レストランカミヤでレトロランチ
現在の神谷バーは1階はビアホール、2階はテーブル席での洋食が楽しめるレストランカミヤがそれぞれはいっている。
3階には割烹料理の店があったが少し前に閉店してしまった。

今回は2階の「レストランカミヤ」を訪問。
外部階段から上がる構造になっており、その手すりや窓枠にも繊細な装飾が見て取れる。

階段の吹き抜けは、小さいながらも上から差し込む自然光と間接照明が美しく、入店前から期待感が高まる。
3.神谷バー名物「電気ブラン」を堪能
店内は、濃いブラウンの木質材と白壁のコントラストが印象的な空間だ。
天井は低く、窓も小さいため古めかしさはあるが、清潔感がある。

神谷バーで忘れてはならないのが「電気ブラン」だ。
創業者・神谷傳兵衛が考案したこのカクテルは、ブランデーをベースに薬草などを加えた独特の味わいだった。

アルコール度数は少し高めだが、甘みがあって飲みやすい。
多くの文学作品にも登場し、太宰治や池波正太郎らも愛したという逸話が残っている。
料理と合わせれば、その不思議な魅力にあっという間に引き込まれてしまう。
4.昭和レトロな店内と懐かしのメニューを堪能
今回注文したのはこちらの「おつまみプレート」。

マカロニグラタン、コロッケ、ソーセージ、ジャーマンポテトといった洋食の王道がぎっしり詰まっており、大人のお子様ランチのような楽しさがあった。
食後に頼んだのは昭和生まれのレトロスイーツ プリンアラモードだ。

最近流行のプリンアラモードは豪華な盛り付けのものが多いが、神谷バーのプリンアラモードはシンプルなのがとてもよい。
5.老舗だけど敷居は低い、大衆に開かれたレストランバー
老舗のバーと聞くと身構えるかもしれないが、神谷バーの雰囲気や価格設定は驚くほど庶民的だ。
ランチは1000円前後から楽しめ、プリンアラモードのような懐かしのデザートも健在だ。
観光客が多いとはいえ、日本人の常連客も目立つ。歴史と食が同時に味わえる、まさに浅草の「生きた文化財」。
わかりやすい派手さや華やかさはないが、浅草観光の最後にふらりと寄るだけでも、是非立ち寄ってみてほしいスポットだ。
【神谷バー】
オススメ度:★★★
住所:東京都台東区浅草1-1-1
アクセス:浅草駅から徒歩約1分
営業時間:11:00~20:00
定休日:第二月曜、火曜
予算目安:1000円~3000円
備考:国登録有形文化財
公式ウェブサイト:http://www.kamiya-bar.com/
※記事執筆時点での情報
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