1.文豪達も通った新橋の老舗鳥割烹へ
今日訪れたのは東京新橋。
再開発が進む街の一角の真新しい建物の1階に明治42年創業の鳥割烹「末げん」がある。

ここはなんと、作家・三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決する前夜、「最後の晩餐」を食した店としても知られている。
少しハードなエピソードではあるが、文学好きにはたまらない「聖地」として知る人ぞ知る存在だという。
由緒あるお店であるが、気軽にランチが楽しめると聞き、さっそく行ってみることにした。
2.意外と気軽に楽しめる末げんのランチ
末げんがあるのは、SL広場のすぐ裏手。
近くには烏森神社や昭和な飲み屋も残る、どこか懐かしい一角だ。
大正時代には総理大臣の原敬や歌舞伎役者も通っていたというから、昔から文化人に愛されてきた店らしい。

週末は行列ができることもあると聞いていたので、開店と同時の時間に店に向かった。
するとちょうど11時半、末げんの暖簾が掲げられる瞬間に出くわした。
3.風情がありながらも親しみやすい店内
入口からすでに雰囲気があり、ちょっと背筋が伸びるが、入ってみると意外とカジュアルでホッとする空間だ。
現在の建物は90年代に建て替えられたものが、旧店舗の古材も使われており、老舗の味わいはしっかり残っている。

末げんの店内は、木のぬくもりと静けさが心地よい。
中庭のある和風空間に、上品な設え。けれど気取った雰囲気はなく、若いカップルや一人客も多く見かけた。
4.名物「かま定食」を堪能
ランチメニューは3種類。から揚げ定食、竜田揚げ定食、そして名物の「かま定食」がある。
この「かま」とは、鶏の挽肉と特製の鶏だしスープを卵でとじた親子丼風の一品で、三島由紀夫も愛したとされる味だ。

一見シンプルなメニューだが、食べてみるとその完成度に驚いた。
鶏の旨味がぎゅっと詰まった挽肉、まろやかな卵、とろりとした出汁が絶品で、あっという間に完食してしまった。

上品なのにどこか親しみやすく、老舗の敷居の高さを感じさせないのが魅力だ。
5.歴史を感じながら大人のランチ
ここがあの文豪が最期の夜を過ごした店だと思うと、ちょっと感慨深い。
当時三島が食事を済ませた後に、若女将が「どうぞまたお越しくださいませ」と挨拶をしたところ、翌日に自決を決めていた彼は、「また来いといわれてもなぁ、あの世からでも来るか」と返したという逸話も残っている。

今の末げんは、歴史の重みを背負いながらも、明るく開かれた空間になっている。
美味しい料理を味わいながら、ちょっとだけ物語の一部に入り込める末げん、新橋に行く機会があれば、ぜひ一度訪れてみてほしい。
【鳥割烹 末げん】
オススメ度:★★
住所:東京都港区新橋2-15-7 S-PLAZA弥生 1階
アクセス:新橋駅から徒歩約2分
営業時間:
11:30~13:30
17:00~22:00
定休日:日曜、祝日
予算目安:1500円(ランチ)
※記事執筆時点での情報
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