1.日本の貨幣のはじまりを求めて秩父へ
埼玉県秩父市の外れに、ちょっと風変わりなスポットがある。それが今回訪れた「和銅遺跡」だ。
教科書で習った日本最初の貨幣「和同開珎」。その材料となった銅が採れた記念すべき場所が山奥ではあるけれど埼玉県にあると聞けば向かわずはいられない。

和銅遺跡があるのは秩父鉄道の和銅黒谷駅から徒歩圏内。
電車の本数は少なく、駅も最小限のつくり。だがその簡素さが、逆に旅情をそそる。
これから日本の貨幣誕生の舞台ともいえる場所に向かうのだと思うと期待が高まってくる。

2.和銅採掘跡に立つ巨大なモニュメント
駅から15分ほど山道を進むと、「日本通貨発祥の地」と彫られた高さ5メートルもの和同開珎の巨大モニュメントが現れる。

背後には和銅山と呼ばれる小高い山がそびえ、二本の深い溝わ露天掘りの跡がはっきりと見える。

この場所はただの山ではない。地殻変動でむき出しになった断層面に自然銅が露出していて、ここから銅を採取したという。
この銅を献上したことで朝廷は年号を「和銅」とし、唐の「開元通宝」にならった日本初の貨幣「和同開珎」を発行した。
まさに日本全体の歴史が大きく動いた一端がこの地にあるのだ。
3.断層に刻まれた貨幣の原風景
私が訪れた際は、残念ながら落石などの危険から見学道の一部が通行禁止になっていた。

本来であれば少し見学路を登ると断層面にえぐられた採掘跡を真上から覗き込めるポイントにたどり着き、断層を間近でみれるのだが、それはまた数十年後の機会に譲ろうと思う。
ちなみに見学者の姿はまばら。
観光地として派手な設備はないが、和銅遺跡に関してはそれがかえってよい。辺りにはまさに遺跡という名にふさわしい空気が流れていた。
4.「銭神様」に人が群がる聖神社
遺跡を見たあとは、駅と遺跡のちょうど中間にある「聖神社」へ。
この聖神社は創建は和銅元年とされ、和銅献上の祝賀行事が行われたと伝えられている。

この神社は今や「金運のパワースポット」として人気で、「銭神様」と呼ばれて親しまれている。
和銅遺跡が静まり返っていたのとは対照的に、参拝客で境内は大にぎわい。黄色い幟がはためき、おみくじと財布を握った人々の列ができていた。

ちなみに社殿は江戸時代の中期に建てられたもので、市の有形文化財にも指定されている。
工匠・大曽根与兵衛の手による見事な造りで、遺跡とはまた違った時代の重みが感じられる場所である。
最後は、電車の時間まではかなり時間があったので、聖神社前の小さなカフェでひと息ついた。

珈琲と和同焼きでひと息つきながら、貨幣の原点に思いを馳せる。
和銅遺跡は、華やかな観光地ではないけれど、地層と歴史が交差するこの場所には、じわじわと心を動かす歴史の一端が確かに垣間見れた。
【和銅遺跡・聖神社】
オススメ度:★★★
住所:埼玉県秩父市黒谷
アクセス:和銅黒谷駅から徒歩約5分~15分
予算目安:0円
※記事執筆時点での情報
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