1.湖の真ん中にある駅
今日は湖の上に浮かぶ不思議な駅が静岡の大井川鐵道にあると聞いて早速訪れてきた。
今回訪れた「奥大井湖上駅」は、その名の通り駅が湖の上にある珍しい駅だ。

浜松駅から電車を乗り継ぐこと約4時間。長島ダムからアプト式機関車を切り離し、しばらく山間部を進んだ先に突如として現れる真っ赤な鉄橋「レインボーブリッジ」の中ほどに、奥大井湖上駅はある。
鉄橋の中にあるというだけでも珍しいが、さらに特筆すべきは、駅が設けられている場所が人家も道路もない山奥の湖上であるという点だ。
2.ホームに立つだけで絶景体験
私がこの駅が訪れたのは11月の三連休。
列車の本数は1日わずか5本ということもあり、絶好の紅葉シーズンにもかかわらず訪れる人はそれほど多くはない。
電車を同じ電車に乗り合わせた人たちとホームに佇むが、次の電車は約2時間後。

ホームには小さな待合小屋とベンチがあるだけというシンプル極まりない佇まいがいい。
到着後はホームは開放されており、自由に散策が可能だ。
ホームからは眼下に広がる奥大井湖や、その向こうに広がる山並みの大自然が堪能できる。
3.遊歩道ウォークと絶景スポット
奥大井湖上駅のもう一つの見どころは、レインボーブリッジに並行して設けられた遊歩道だ。

線路のすぐ脇を歩ける構造になっており、ここを歩くことでまるで鉄橋の向こう岸まで渡ることができる。

対岸は遊歩道が設けられていて、そこから山道を進めば、駅を真上から見下ろせる展望スポットへと辿りつく。
この場所は、湖上に浮かぶホームとエメラルドグリーンに輝く湖、赤い鉄橋を一挙に望める絶景スポットだ。

4.恋のパワースポット奥大井恋錠駅
奥大井湖上駅は、湖上駅(こじょうえき)と恋錠駅(こいじょうえき)」をかけた恋愛成就のパワースポットとしても知られている。
駅の一角には相合傘ベンチや「ハッピー・ハッピー・ベル」などが設置されているが、湖の上の無人駅にハート型のベンチがぽつんと置かれているのが面白い。

この駅ではハート形南京錠をロックすると恋人の心をロックして離さない、ということで、恋錠がかけられるスポットがある。
ハート型の南京錠は千頭駅で販売されており、駅を訪れたカップルや恋愛成就を願う老若男女たちがその願いを託して鍵をかけていくのだ。
決して派手な演出はないが、それがまた良い。
山奥の静かな駅で静かに想いを込めるのはちょっとシュールだけれど、特別感はある。
5.湖上駅に併設されたカフェでひと休み
駅を出てそのまま島状の小山を少し登った先には小さなコテージがある。
かつて30年近く使われていなかったコテージは、営業日や時間は限定されるが、2019年からカフェとして使われだしている。
コテージのバルコニーからはホーム全体を見渡すことができ、備え付けの双眼鏡も無料で利用できる。
次の列車まで時間があるので、あたりを散策したり、鉄橋の向こう側に渡って見たりと、湖上の駅と周辺をたっぷり探検できた。

大自然の中にポツンと佇む駅を眺めながらのひと息は格別だ。
訪れるまでにかなり時間はかかったが、静けさと興奮が同居する駅でのひと時を心ゆくまで味わえた。
【奥大井湖上駅】
オススメ度:★★★★★
住所:静岡県榛原郡川根本町梅地
アクセス:千頭駅から電車で約1時間10分
予算目安:1500円(千頭駅からの電車の往復乗車賃)
備考:電車の時間は要確認
※記事執筆時点での情報
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