1.那須に誕生したアートなビオトープ
栃木県那須町の山あいに、ひっそりと広がる庭がある。その名も「水庭」だ。
一見すると自然の湿地帯に見えるが、ここは人の手でつくられた人工の風景というから驚かずにはいられない。
大小160の池と318本の樹木で構成された庭は、もともとは宿泊施設建設のために伐採予定だった木々を移植してつくられたものだ。

この不思議極まる庭の設計を手がけたのは、世界的建築家・石上純也氏。日本建築学会賞やヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞などを受賞した、建築界の革命児だ。
訪れた日は前日に少し雨が降った上での快晴。
2か所ある入口のひとつから足を踏み入れると、異世界に迷い込んだかのような空気の変化を感じる。
2.自然と人工の狭間の不思議な体験
水庭の最大の魅力は、その絶妙な「自然さ」と「不自然さ」にある。
一面に広がる池と繁る樹々は自然そのもののようでいて、実は緻密に設計された人工空間だ。

晴れた日には水面が鏡のようになり、木々や空がくっきりと映し出される。
水面に顔を近づけると、そこに広がるのはもうひとつの天地。
風に揺れる木の影すらも、水庭の一部として溶け合っていく。
竣工から約6年が経ち、植栽は成長し、やってきた生き物たちが新たな生命を育んでいる。
究極の人工物としてつくられた水庭が、徐々に自然との境界と溶け合い変化しているのが面白い。

人工と自然が絡み合い、どちらが本物かわからなくなるこの感覚は、水庭ならではの体験だ。
3.水庭を独り占めする贅沢な時間
今回宿泊したのは、水庭に併設された那須 無垢の音 B&B。2024年に新たにオープンしたばかりのカジュアルな宿泊棟だ。

ツインタイプの部屋にはミニキッチンや広めのバスルームが備わり、テラスからは那須の豊かな自然を一望できる。
エントランス付近には宿泊者専用のラウンジもあり、コーヒーや紅茶を自由に楽しめるのも嬉しいポイントだ。
宿泊者の特権は、時間を選ばず水庭を楽しめることだ。
夕方の柔らかい光に包まれた水庭、早朝の霧にけぶる水庭。時間帯によって全く違う表情を見せる。

受付では、雨上がりには長靴も貸し出してくれるので、天候に左右されず散策できる。
4.併設のカフェでも癒しのひととき
那須の自然に抱かれながら、人間が作った自然に包まれる。
この不思議な感覚に、心はどこまでも解き放たれていく。

また、併設のカフェで頂いたとちぎ和牛の自家製ビーフカレーも絶品だった。
濃厚な旨味にピリッと効いたスパイスが絶妙で、探訪のエネルギー補給にもぴったりだ。

デザートにはアイスクリームの盛り合わせやかぼちゃタルトもあり、午後のおやつタイムにも困らない。
5.美味しい朝食と再びの散策タイム
朝食はバスケットに入ったピクニックセット形式。

地元の素材をふんだんに使ったサラダや、スモークサーモンをたっぷり挟んだサンドが並び、ラウンジやテラスでも自由に楽しめる。
朝食のあとは再び飛び石を頼りに、迷路のようにうねる小道を進む。
水音と虫の声が響き渡り、日常とは違う時間が静かに流れていく。

訪れるたびに変化し続けるこの庭は、何度でも通いたくなる魔力を秘めている。
今回は宿泊もしたが、水庭だけの見学も可能なので、興味がある人はぜひ足を運んでみてほしい。
【無垢の音 水庭】
オススメ度:★★★★
住所:栃木県那須郡那須町高久乙2294-3
アクセス:那須塩原駅から車で約30分
予算目安:2750円~
備考:見学は要予約
公式ウェブサイト:https://mukunone.jp/mizuniwa/
※記事執筆時点での情報
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