数千個のタイヤをフル活用した蒲田の「タイヤ公園」で遊んできた

1.廃タイヤが支配する異形の公園を訪問

今日訪れたのは東京都大田区にある西六郷公園、通称「タイヤ公園」だ。

タイヤ公園

この公園があるのはJR蒲田駅から線路沿いを程なく歩いたと線路沿い。
一見すると何の変哲もない住宅街の中にあるが、足を踏み入れた瞬間、空気が変わる。

目の前に現れるのは無数の廃タイヤたち。
地面に埋め込まれ、積み上げられ、時に怪獣の肉体として姿を変え、静かにそこに鎮座している。この異様な光景に、はじめて訪れた者は誰しも圧倒されるはずだ。

タイヤ公園

公園ができたのは半世紀以上前の1969年。
廃タイヤを遊具として再利用するという発想から始まり、現在では海外から訪れる人もいる程の知る人ぞ知る公園だ。

2.住宅地の先にあるパラダイス

タイヤ公園へのアクセスは京急・雑色駅から徒歩約10分、蒲田駅からだと15分ほど。
地元の子供たちにとっては日常だが、遠方からの「珍スポ」ファンにはややディープな立地といえる。

途中、住宅街の静けさに包まれるが、その先に突如出現するタイヤの密集地帯は、まさに都市の裏側にある異界の入り口のようだ。

タイヤ公園

区立の公園なのでもちろん入場無料。
昼間は親子連れで賑わうが、夕方から夜にかけては急速に人の気配が薄れ、どこか薄暗く不穏な雰囲気が立ち込める。
昼と夜でまるで表情が違うのも、この公園の魅力のひとつだ。

3.タイヤまみれの世界へ、いざ突入

園内に入ると、まず目に飛び込んでくるのは地面に無造作に埋められたタイヤ群や遊具だ。

遊具のほとんどが廃タイヤを活用したもので、ブランコもシーソーもジャングルジムも、すべてがタイヤだらけ。

子供向けの施設ではあるが、大人でもこの異様な世界観には思わずテンションが上がる。

中にはどう遊んでいいのかわからない構造物もあるが、それがまた自由な想像をかき立てる。
鉄とコンクリートでは表現できない柔らかなカオスが、タイヤによって実現されている。

4.蒲田の地に鎮座する黒い守護神

タイヤ公園の象徴といえば、何といっても2体の巨大な怪獣型オブジェだ。

タイヤ公園

そのうちの一体は、どう見てもゴジラ。高さは約8メートル。
無数のタイヤを組み合わせて作られたその姿は不気味で、それでいてどこかユーモラスでもある。

タイヤ公園

少し前に大ヒットとなった映画「シン・ゴジラ」は最終形態となる前のゴジラが蒲田に襲来するシーンから始まるが、半世紀前に既にゴジラは蒲田に襲来していたのだ。

尻尾は長く地面にまで伸びており、それ自体が遊具として機能しているのが素敵だ。
これだけ巨大な構造物が住宅街のど真ん中にあるのだから、異様な光景ではあるのだけれど、近所の子供達は当たり前かのように遊んでいるギャップも面白かった。

5.時を超えるタイヤ達

この公園の真の凄みは、細部にまで徹底して「タイヤ縛り」を貫いている点にある。
水飲み場の踏み台、花壇の縁、遊具の柵、謎のオブジェ。すべてが廃タイヤで構成されている。

タイヤ公園

ちなみに廃タイヤは地元の企業等から寄贈されたもの。
行政と地域の連携、そして何より遊び心が結集した結果がこの異様な空間を生み出したのだ。

捨てられるはずだったタイヤが、遥かなる時を経て子どもたちの遊びの空間として第二の人生を歩んでいる。
昭和と令和が掛け合わさった公園は、今日も蒲田の街の片隅で子供達のエネルギーを受け止めている。

【タイヤ公園】
オススメ度:★★★
住所:東京都大田区西六郷1-6-1
アクセス:雑色駅から徒歩約10分、蒲田駅から徒歩約15分
予算目安:0円
備考:遊具は譲り合って遊びましょう
※記事執筆時点での情報

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