1.世界初の盆栽専門美術館
埼玉県さいたま市北区、通称 大宮盆栽村。
その盆栽村で2010年に世界で初めての盆栽専門の美術館が誕生したのが「さいたま市大宮盆栽美術館」である。

大宮と盆栽。一見ミスマッチにも思える組み合わせだが、実はこの地には大正時代から続くディープな歴史がある。
関東大震災の影響で東京・団子坂から移り住んだ植木職人たちが、この地に理想の土壌を見出し、盆栽文化を根付かせたのだ。
最盛期には30以上の盆栽園が並び、現在もその一部が現役で営業している。

そんな盆栽の聖地に建てられたこの美術館は、初心者でも盆栽の奥深さに触れられる工夫が満載だった。
2.何も知らずに行っても楽しめる美術館
盆栽美術館の最寄駅はいくつかあるが、この日訪れたのは大宮駅のお隣 土呂(とろ)駅だ。
駅から5分ほど歩くと美術館の入口がみえてくる。

盆栽村では、現在もいくつかの盆栽園を見学することができるが、盆栽と聞いても「よくわからない」という人こそ、まずこの美術館から始めるのがオススメである。
館内では、盆栽の「見方」を実際の展示とともに解説してくれる。
入場料は310円と格安なのに、1000年を超える樹齢の盆栽から、歴史資料、絵画まで揃っている。
3.自然物でありながら究極の人工物
館内に入ると、まず出迎えてくれたのが「季節の一鉢」。
この展示は時期ごとに変わるため、訪れるたびに異なる盆栽と出会える。

そして展示ゾーンに進むと、左右に分かれた構成のギャラリーが現れる。片側に本物の盆栽、もう片側にはその見どころが解説されている。
根の広がり「根張り」、幹の曲がり「模様木」など、これまで気にも留めなかったポイントがひとつひとつ、視覚と知識でリンクしていく。
中でも面白かったのが「ジン・シャリ」。枝や幹の一部をあえて枯らして白くすることで、緑とのコントラストを演出する技法だ。自然物でありながら究極の人工物である盆栽の面白みがひしひしと伝わってくる。
4.屋外庭園で盆栽を360度鑑賞
室内展示のあとに現れるのが、開放感あふれる屋外の「盆栽庭園」。

約60点の盆栽が、彫刻のように展示されている。
この庭園の特徴は、盆栽をさまざまな角度から眺められる点にある。
盆栽に「正面」があるという事実もここで初めて知った。
光の当たり方や角度で、表情が変わるのも面白い。

訪れたのは11月。紅葉した赤い葉が空気に映え、しっとりとした水やり直後の盆栽が妙に色っぽく見えた。
「立ち上がりがいい」「この枝ぶりはすごい」と、先ほど得た知識が、ここで一気に生きてくる。
5.テラスと裏手の販売所で締めくくる
展示をひと通り見終えたら、2階の盆栽テラスに上がるのを忘れてはいけない。

ここからは盆栽庭園を一望でき、庭全体の構成や配置がよく見渡せる。
そして裏手の出口から出ると、盆栽販売所がひっそりと構えている。

小さな鉢なら数千円から購入可能で、自宅で盆栽ライフを始めるきっかけにもなる。
さらに、この出口からは近隣の盆栽園へもスムーズにアクセス可能だ。
はじめは気軽な気持ちで訪れた盆栽美術館であったが、単なる植物鑑賞では終わらない驚きの連続であった。
ちょっと変わった美術館を探している人は、ぜひ一度訪れてほしい。
【盆栽美術館】
オススメ度:★★★
住所:埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3
アクセス:土呂駅から徒歩約5分
開館時間:
3月~10月 9:00~16:30
11月~2月 9:00~16:00
休館日:木曜日、年末年始
予算目安:310円(入館料)
公式ウェブサイト:https://www.bonsai-art-museum.jp/ja/
※記事執筆時点での情報
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