東京のカオスが具現化した千歳船橋「M2ビル」がカオス過ぎた

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1.環八沿いに現れる異形の建築

千歳船橋駅から歩いて12分。環状8号線沿いを歩いていると、突然視界に現れる異様な建物。それが今日訪れた目的地「M2ビル」である。

M2

巨大な古代ギリシャ風の柱、波打つ外壁、そしてダイナミックに重なり合う造形群。
初めて目にした時思わず2度見してしまうようなド派手な建築だ。

バブル真っ只中の1991年に建てられたこの建物は、あの隈研吾氏の出世作としても知られている。
当時は自動車メーカー・マツダのショールーム兼デザインラボとして華々しく誕生したが、現在は売却されつつ葬祭場として新たな役目を担っている。
マツダのショールームから葬祭場への華麗なる転身だ。

2.ポストモダン建築の申し子だった時代

隈研吾氏といえば根津美術館や新国立競技場、高輪ゲートウェイ駅等のデザインで知られ、「和」のイメージを持つ人も多いかもしれない。
M2ビルはそんなイメージの真逆を行く存在であるが、隈研吾氏のキャリアはここからスタートしたのだ。

M2

古代ギリシャ建築のイオニア式の柱を模しつつも、その中には巨大な吹き抜けロビーとエレベーターが仕込まれている。

さらに旧ソ連の建築家・都市計画家レオニドフを思わせるアンテナや、高速道路の遮音板のような無機質なオブジェが無秩序に貼り付けられている。

M2

レストランやショールームが入っていた内部は、当初は家具やテーブルまでもがオリジナルデザインで、エッシャーのだまし絵をモチーフにデザインされた階段など細部に至るまで様々な要素がミックスされていたが、現在はどうなっているだろうか。

3.カオスな東京をカオスで具現化する

カオスな東京にさらなるカオスをつくりだしたという理論は、当時の建築界でも賛否両論を巻き起こしつつ、隈研吾氏の名前を一気に有名なものとした。

M2

今では葬祭場という用途にシフトしているものの、M2ビルの異様な存在感は健在である。むしろはじめから葬祭場だったのではという馴染み具合である。

世田谷の住宅街に突如として現れる巨大なカオス。建物が建てられて30年以上経った現在では、周囲の人々もこの建物の異質さが意識外に置かれているように見えるが、意識しだすともう止まらない。

東京の一角に聳える巨大柱は、今日もその役割を全うしながら東京の写し鏡となっている。

【M2ビル】
オススメ度:★★
住所:東京都世田谷区砧2-4
アクセス:千歳船橋駅から徒歩約12分
予算目安:0円
備考:葬祭場として営業しているので内部は見学不可。外部も配慮を。
※記事執筆時点での情報

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