1.住宅街にひっそりと潜む招き猫の寺
東京都世田谷区。静かな住宅街の一角に、ひときわ異質な空気を放つ場所がある。
今回訪れた寺の名は「豪徳寺」。
江戸時代初期、彦根藩主・井伊家の菩提寺として整備された歴史ある寺院だが、今日では「招き猫の聖地」として知られ、国内外から多くの人が訪れる名所となっている。

最寄りの宮の坂駅から歩くこと約5分。
風情ある山門をくぐった瞬間から、日常とは異なる空気が漂いはじめる。
2.発祥伝説に残る「猫に招かれた殿様」
豪徳寺には、招き猫にまつわる逸話が残されている。
寺の伝えによれば、江戸時代に彦根藩主・井伊直孝が鷹狩りの帰り道、門前にいた一匹の猫に手招きされて寺に入ったところ、直後に激しい雷雨に見舞われたという。
猫に導かれたおかげで雨を避けることができたと感じた直孝は、この寺を厚く支援するようになった。

この出来事が寺の再興につながり、やがて「招き猫発祥の地」として語り継がれるようになったのである。
3.境内で目を引く、圧巻の招き猫群
境内で最も強烈な印象を残すのが、招福殿の一角にずらりと並べられた招き猫の群れだ。

小さな棚に無数の白い猫がびっしりと並ぶその光景は、もはや異様とさえ言える。

サイズも表情も微妙に異なる猫たちは参拝者が奉納したもので、願いごとが叶ったお礼に納めるとさらなる御利益があるとのことだ。
静まり返った空間に、どこを見ても猫、猫、猫。あまりの密度に、初めて見る人は必ず足を止めて見入ってしまう。

カメラを向ける人、黙って手を合わせる人。招き猫たちは無言のまま、じっとこちらを見つめている。
4.猫が刻まれた寺院建築
豪徳寺の注目ポイント招き猫だけではない。
歴史ある寺院だけに、各時代に建てられた建築群もあわせてみてみる。

例えば仏殿は1677年に建てられたもので、区内最古の木造建築として世田谷区指定有形文化財となっている。
すぐ近くには、2006年に建立された高さ約22.5メートルの三重塔が聳える。

この塔には釈迦如来像が納められているが、注目すべきは随所にあしらわれた猫の彫刻だ。
塔の随所に猫が散りばめられていて、思わずニヤリとしてしまう。
5.不気味だけれど荘厳な招き猫の聖地
現在の豪徳寺は、インターネットやSNSの影響で若者や外国人観光客の間でも人気のスポットとなっている。
だが、単なる「かわいい猫寺」と片づけるには、あまりに特異な光景が広がっているのが面白い。

古い猫、新しい猫、顔の擦れた猫、雨ざらしの猫……。
整然と並んでいるが、そこには人の思いや願いが無数に詰まっていることが、この特異な寺に感じる不思議だけれど荘厳な雰囲気に繋がっているのだと思う。

境内を歩くうちに、次第に「見られている」ような感覚が強くなっていく。
不気味さと愛らしさがせめぎ合う豪徳寺。気になった方は是非訪れてみてほしい。
【大谿山 豪徳寺】
オススメ度:★★★
住所:東京都世田谷区豪徳寺2-24-7
アクセス:宮の坂駅から徒歩約5分
予算目安:0円
備考:世田谷区指定有形文化財(仏殿、梵鐘)
※記事執筆時点での情報
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