大久保の異界!?極彩色の「東京媽祖廟」を参拝してきた

1.台湾寺院が大久保に出現

新大久保と聞いて思い浮かぶのは、韓国料理やコスメや雑貨店の賑わいだろう。
だがそのすぐ近く、異質な空気をまとう「東京媽祖廟」という建物がある。

東京媽祖廟

大久保駅の南口を出て徒歩1分。
東京媽祖廟(まそびょう)は、極彩色に彩られた異形の建物だ。

中華系の伝統装飾に身を包んだこの寺院は、台湾や中国南部で信仰される海の女神「媽祖」を祀る廟である。
現代日本の景色の上に異国の景色が上書きされたようなインパクトがある。

東京媽祖廟

赤や金のきらびやかな彫刻が天に向かってせり上がる様は、見慣れなさからくる驚きと共に抗いがたい不思議な吸引力を持っている。

2.歴史ある信仰の場 媽祖廟

両側の建物が廟を囲むように建ち並び、都市の中の異界がそこだけ凝縮されているようだ。
周囲を歩く人々の多くは気にも留めず通り過ぎていくのも不思議な光景だ。

東京媽祖廟

この「媽祖信仰」は今から1000年以上前の中国福建省にルーツを持つ歴史ある信仰だ。
この媽祖を祭る廟は媽祖廟と呼ばれ、全世界に2000箇所あり、航海・漁業の守護神として中国福建省や台湾で広く信仰されているそうだ。
媽祖廟は福建省から台湾に移住した開拓民が航海中の安全祈願と、その後の感謝を込めて広げた信仰だ。

東京媽祖廟

そのことは正面の彫刻で航海のイメージが彫り込まれていることからもよく伝わってくる。

3.廟に潜入!線香片手に巡る異国儀礼

入口で出迎えてくれたスタッフに見学の旨を伝えると、意外にも気さくに「どうぞ」と迎え入れてくれた。
はじめに200円の線香を購入するが、それが廟内を巡る「鍵」となる。

東京媽祖廟

正しい参拝作法も丁寧に教えてもらえた。
1階から最上階の4階まで、各所に香炉が設けられ、1本ずつ線香を供えながら進んでいく。

名前と住所、願いを心で唱え、三礼して線香を立てる。慣れない作法と重い空気の中、エレベーターで移動しながら参拝する経験は、非日常的でドキドキした。

4.見知らぬ祈りの風景と記憶に残る異文化体験

香煙に包まれた内部では、信仰に生きる人々の姿が印象的だった。
熱心に祈る高齢の女性、無言で供物を捧げる若者たち。

演出された観光地とは異なる、リアルな祈りの風景がそこにある。
ちょうどこの日は媽祖廟の神様が出家したとされる特別な日らしく、来訪者にはミネラルウォーターが渡されていた。

部外者であるはずの我々も自然とその輪に迎え入れられ、興味深い経験をさせてもらえた。

5.東京の片隅で出会う異界の扉

派手な見た目から始めはキッチュな建物だと誤解していたが、とても深みのある寺院であった。

駅前というアクセスの良さとは裏腹に、その門をくぐるには少しの勇気が要る。
だが一歩踏み出せば、そこは自分の世界とはちょっと異なった、もう一つのリアルな世界が広がっている。

宗教建築というラベルでは語りきれない、人の営みがそこにはあり、同時に自分の世界も少しだけ広がった。

【東京媽祖廟】
オススメ度:★★★★
住所:東京都新宿区百人町1-24-12
アクセス:大久保駅より徒歩約1分
予算目安:0円
備考:見学の際は配慮を忘れずに
公式ウェブサイト:http://www.maso.jp/
※記事執筆時点での情報

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