1.かつて日本の高度経済成長を支えた街、山谷
今日訪れたのは東京一ディープな街といっても過言ではない「山谷」だ。
山谷は正式な地名ではもう見かけないが、南千住駅の南側、浅草の北方に広がるエリアである。

南千住の駅を降りると不気味なほどの静けさが場の空気を支配しているが、かつてはドヤ街として活気溢れる街であった。
「ドヤ」とは「宿」を逆から読んだ隠語で、安価な簡易宿泊所が密集していたことに由来する。
大阪・西成、横浜・寿町と並ぶ、日本三大ドヤ街のひとつである。

戦後の高度経済成長を支えた日雇い労働者の街は、今もその痕跡を色濃く残している。
2.時が止まったような街並み
山谷の町並みは驚くほど低層で、再開発の波に取り残されたかのようだ。

いまでも木造アパートや年季の入った簡易宿泊所が軒を連ね、まるで昭和にタイムスリップしたかのような錯覚を覚える。

現在も一泊2000円台前半の宿がいくつもみられ、街のあちこちからは今も生活の気配が漂ってくる。

通りには100円自販機がずらりと並び、なかには90円の商品もある。
東京のど真ん中に、こんな雰囲気の街があったのかと好奇心と恐怖心が高まってくる。
3.忘れられた記憶と、今も続く日常
1960年に発生した「山谷暴動」では、交番が労働者たちに襲撃され、山谷の名は全国に知れ渡ることとなった。
現在、その交番は「日本堤交番」と名を変え、平穏な街角にたたずんでいる。

すぐ近くには、1968年創業の老舗「珈琲店バッハ」があり、山谷の異質な空気に不意打ちを与えるかのような上質な時間が味わえる。

満席の店内には、若いカップルや女子高生まで。
ディープな街に潜む老舗であるが、外で並んでいると見知らぬ男性にいきなり悪態をつかれ、確かにここが山谷であることを実感した。
4.山谷に生まれる新たな息吹
そんな山谷も最近では少しずつであるが変化している。
かつての靴工場をリノベーションした「Wall Apartment」や、アーティストにも人気の「カンガルーホテル」など、山谷では若者たちによる新たな動きも起きている。

このカンガルーホテルコンクリート打ちっぱなしの箱が宙に浮かぶようなデザインで、オーナーのアトリエも併設されたホテルだ。
アンダーグランド感溢れる街も外国人バックパッカーや、近くにある藝術大学のアーティストらによってアップデートされつつあるようだ。
5.創建1200年の神社と靴まつり市
最後に訪れたのは、760年創建という歴史ある玉姫稲荷神社だ。
戦後に再建された社殿の前では、ちょうど年に一度の「靴まつり市」が開かれていた。

山谷は革製品や靴の製造が盛んだった地域でもあり、この神社では古靴の供養も行われている。
靴やベルトが格安で売られているということもあり、中々の盛況ぶりであった。

変わるものと変わらないもの、過去と現在が交錯するスリリングな街をたっぷりと味わい、今回の旅を終えた。
【山谷のドヤ街】
オススメ度:★★★★
住所:東京都台東区日本堤他
アクセス:南千住駅から徒歩約10分
予算目安:700円
備考:訪れる際は自己責任で
※記事執筆時点での情報
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