異国の空気が交錯する魅惑の裏路地「イスラム横丁」

1.コリアンタウンの裏手に広がる異世界

新大久保駅といえばコリアンタウンを思い浮かべる人が多いだろう。
しかし、駅の東口とは反対側、西側の出口を出てわずか1分。マツモトキヨシ脇の細い通りに足を踏み入れた瞬間、まるで別の国に迷い込んだかのような空間が出現する。それが「イスラム横丁」だ。

イスラム街

距離にして100メートルにも満たないこの小さな通りには、見慣れない外国語の看板が並び、スパイスの香りと異国の雑踏が入り混じる。

日本語がほとんど見当たらないショップの数々は、訪れる者に一瞬の戸惑いと強烈なワクワク感を与えてくれる。
観光客向けのきらびやかさとは無縁の、生活感むき出しのリアルな異国がここにはある。

2.雑多だけれどエネルギッシュな街の魅力

通りを進むとまず目に入るのが「ナスコフードコート」だ。
緑色の外装が目を引くこの店舗は、食材から日用品まで揃う地元住民御用達の店である。

積まれた段ボール箱を覗くと、びっしりと詰まった格安マスクが並ぶ。
その無造作さと量に、都市の一角で独自進化を遂げたかのような不思議さとエネルギーを感じる。

中に入れば、ビリヤニや焼き鳥といったテイクアウトフードの香りが空腹を刺激する。
売り物なのかそうでないのか、一見すると区別がつかないのも魅力のひとつ。

イスラム街

日本語が通じにくい店もあるが、身振りと指差しで何とかなる。
それもまた、以降タウン巡りの醍醐味だ。

3.八百屋の色彩とスマホケースの雑多感

ナスコフードコートの向かいにあるのが、「新宿八百屋」だ。
黄色の看板が目印のこの店は、24時間営業の八百屋でありながら、スマホケースや充電ケーブルといった雑貨も扱う。

果物の横に最新のiPhoneケースが並ぶ光景は、混沌という言葉をそのまま体現したような風景だ。
ブレードランナーの未来都市を彷彿とさせる色彩と配置。秩序がなく、しかし奇妙な機能性が成立している。
これがこの街での日常なのだと思うと、何だか嬉しくなる。

4.妖しいドリンク「ファールーダ」との出会い

横丁の最奥に構えるのは「ナショナルマート・シディーク」。

ここでは食材に加え、様々なドリンクや惣菜がテイクアウトできる。
今回頂いたのは、謎のピンク色をした冷たい飲み物ファールーダだ。
ローズ、タピオカ、ミルク、そしてバジルシードが入ったのデザートドリンクである。

イスラム街

見た目のインパクトに反して、味は優しくまろやか。
一杯300円という手頃な価格も嬉しい。
他の街では中々出会えない飲み物に、舌と感覚が刺激される。

5.都市の奥で出会うもう一つの「東京」

焼き鳥を片手に歩くうちに、最初の緊張はどこかへ消えていた。

イスラム街

イスラム横丁の住人たちは概して親切で、会話の壁があっても笑顔とジェスチャーでどうにかなる。
その体験そのものが、まるで海外のマーケットに迷い込んだような旅感を演出してくれる。

煌びやかな観光地ではないけれど、この横丁には現代の東京が秘かに持つ、もうひとつの顔がハッキリとみえる。
少しだけ踏み込めば、スパイスの香りとともに、まるで映画のワンシーンのような異文化の日常が目の前に現れる。

イスラム横丁。それは、東京の片隅で脈打つ、静かで熱いグローバルスポットだ。

【イスラム横丁】
オススメ度:★★★★
住所:東京都新宿区百人町
アクセス:新大久保駅から徒歩約1分、大久保駅から徒歩約5分
営業時間:店舗による
予算目安:300円~1000円
※記事執筆時点での情報

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