1.漫画の成長トキワ荘の街を訪問
今回訪れたのは落合南長崎駅を出て程なく歩いたところにある通称トキワ荘通り。

ここはかつて手塚治虫や赤塚不二夫 、藤子・F・不二雄 らが青春時代を過ごした漫画の聖地だ。
大型再開発エリアとは違う落ち着いた住宅街に派手さはないが、この街には独特の熱量がある。

現在は「トキワ荘マンガミュージアム」が有名な観光スポットとなっているが、古いアパート、商店街、昭和感の残る路地、そして昔ながらの飲食店が点々と残されている街でもある。
2.漫画家たちが通った伝説の町中華
今回のメインの目的地はトキワ荘ゆかりのラーメン店「松葉」である。
松葉は昭和25年頃創業の老舗中華料理店だ。

トキワ荘から徒歩数分という立地もあり、当時の漫画家たちが頻繁に通い、出前も取っていたことで知られている。
今でこそ漫画家は成功者のイメージもあるが、当時のトキワ荘はかなり貧乏だった。
締切前に徹夜し、腹が減ったら松葉へ行く。そんな生活がこの店を中心に回っていたのだと思うと妙にテンションが上がる。

実際、店構えもかなり渋い。
昔ながらの町中華感が強く、チェーン店にはない生活臭が漂っている。
店内も飾り気は少なく、近所のラーメン屋として長年機能してきた空気がそのまま残っている。
3.派手ではない。でも異様に落ち着く町ラーメン
注文したのはシンプルなラーメン。
見た目はかなり昔ながらだが、小さい頃に漫画に出てきたラーメンがいざ目の前にでてくるのは何とも不思議な気分だ。

透き通ったスープ、縮れ麺、素朴なチャーシュー。最近流行りの意識高い系ラーメンとは真逆である。
だが、これが妙に美味い。
スープは優しく、麺もどこか懐かしい。刺激は強くないのに、どんどん箸が進むタイプの味だ。
しかもボリュームがかなりある。

値段も良心的で、「若手漫画家の胃袋を支えていた店」という説明に妙な説得力がある。
店内を見回していると、トキワ荘関連の展示やサインもちらほら。
完全に観光地化しているわけではないが、漫画文化を支えてきた店として静かに存在している感じが良かった。
4.ミュージアムだけじゃない。街全体が展示物
松葉を出た後は周辺を散策した。
近くには「トキワ荘マンガミュージアム」がある。

復元された木造アパートは、あえて古びた外観まで再現していてかなり完成度が高い。
4畳半の部屋を見るとここから日本漫画の歴史が始まったのかと妙な感慨がある。
さらに周辺には、「トキワ荘通りお休み処」や「トキワ荘マンガステーション」など関連施設も点在している。

だが個人的に面白かったのは、施設そのものより街並みだった。
この辺りは再開発され切っていないので、古い建物や路地がまだ残っている。
昭和の住宅街と漫画文化が混ざった独特の空気感がある。
5.トキワ荘の魅力は人間臭さにある
トキワ荘というと、つい伝説化された場所として語られがちだ。
だが実際に歩いてみたり暮らしの場の再現展示をみると、もっと生活感のある場所だったことが分かる。

安いラーメン屋で飯を食い、狭いアパートで原稿を書き、仲間同士で騒ぎながらも研鑽し合う。
その積み重ねの中から、日本の漫画の歴史が積み重ねられてきた。
だからこの街は偉人のミュージアムとして見るより、若者たちの生活空間として歩くとかなり面白い。
特に松葉は、その空気を今でもかなり色濃く残している店だった。

ラーメンをすすりながら、漫画家たちが暮らした街の温度を体感してみると、このエリアの見え方はかなり変わってくるかもしれない。
【中華料理 松葉】
オススメ度:★★★
住所:東京都豊島区南長崎3-4-11
アクセス:落合南長崎駅から徒歩約8分
営業時間:11:00~15:00、17:00~20:00
定休日:月曜日
予算目安:700円
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