1.学生街の奥に広がるミャンマーコミュニティ
高田馬場といえば、早稲田大学や専門学校が集まる学生街というイメージが強い。
しかし実際に歩いてみると、この街にはもうひとつ別の顔がある。

駅前周辺にはミャンマー料理店や食材店が点在し、多くのミャンマー人が暮らしている。
近年では「リトルヤンゴン」と呼ばれることもあり、独特のコミュニティが形成されているのだ。
特に高田馬場駅早稲田口周辺は空気感がかなり濃い。
日本語の看板に混じってミャンマー語が並び、雑居ビルの上階や地下に現地系の店がぎっしり入っている。
中でも象徴的なのが、駅前の線路脇に建つタックイレブンビルである。

黒っぽい外観の古い雑居ビルは、昭和の空気をそのまま封じ込めたような雰囲気だ。
少し薄暗い階段、雑多なテナント、独特の生活感。高田馬場の駅前とは思えない空気が流れている。
このビルに入るミャンマー料理店「ノング インレイ」は、ドラマ「孤独のグルメ」でも知られる有名店。
昼時には行列ができることもあり、リトルヤンゴンのランドマーク的存在になっている。
2.地下に潜ると現れるミャンマー食堂
今回まず訪れたのは、タックイレブンビル近くの地下にある「ミンガラバー」。
古い雑居ビルの地下へ降りていく構造で、初見だと少し勇気がいるタイプの店だ。
しかし、この入りづらさが逆にアングラなワクワク感を高めてくれる。

店内にはミャンマーの写真や装飾が並び、テレビでは現地のカラオケ映像が流れていた。
観光向けというより、現地コミュニティの日常空間に近い雰囲気だ。
実際、周囲からはミャンマー語が聞こえてきて、普通に生活圏として存在している街のリアルさがある。
今回注文したのは、ミャンマー風炊き込みご飯「ダンパッウ」

スパイスの香りがしっかり効いたご飯に、柔らかく煮込まれた牛肉が乗る。
クセはあるが食べづらさはなく、日本のカレー文化とも少し地続きな感覚がある料理だった。
会計時には店を切り盛りする女性から「美味しかった?」と笑顔で聞かれ、こちらまで少し嬉しくなった。
初めの入りづらさが嘘のような楽しいミャンマー料理体験だった。
3.高田馬場の雑居ビルは異国への入口
高田馬場ミャンマー街の面白さは、単に料理店が多いことではない。
むしろその魅力は、古い雑居ビルやガード下にミャンマー文化が自然に溶け込んでいる点にある。
駅前からさかえ通りへ向かう途中には、ミャンマー系スーパーも点在している。

こちらの「ローズファミリーストア」に入ると、日本のスーパーではまず見かけない調味料や乾物が並び、店内の匂いまで違う。海外旅行先のローカルスーパーに迷い込んだような感覚になる。
さらに周辺には「スィウミャンマー」などの料理店も営業しており、お昼を過ぎても店内はかなり賑わっていた。

面白いのは、観光地化しすぎていないことだ。
新大久保ほど派手ではなく、横浜中華街ほど完成された街でもない。だからこそ、雑居ビルの奥にリアルな生活感が残っている。
4.ミャンマー人が作る油そばを堪能
ミャンマー街散策が予想以上に面白く夕方になってしまったので軽く夕食も頂く。
早稲田通り沿いで目に入ってきた「油そば 力」に入店。
ここは見た目は普通のラーメン店だが、実はミャンマー人が経営している店である。

券売機には「強く押してください」の張り紙。押しが甘いと反応しないらしく、妙に生活感があって笑ってしまった。
注文したのはココナッツ油そば。
ココナッツと聞くと甘さを想像するが、実際はかなり食べやすい。香りだけがふわっと残り、スパイス感のあるスープともよく合う。

ミャンマー料理はクセが強そうな印象を持っていたが、油っぽすぎず辛さも比較的穏やかで、想像以上に食べやすい。
5.高田馬場で東京じゃない東京を味わう
高田馬場のミャンマー街は、観光地というより都市の隙間に近い場所である。
古い雑居ビル、ガード下、外国語の看板、地下飲食店、海外食材店。それらが学生街の中に自然に混ざり合っている。しかも駅前徒歩数分圏内だ。

派手な映えスポットではない。しかし歩いてみると、普通の東京散歩では味わえない妙な高揚感がある。
特にアジア系のディープスポットが好きな人にはかなりオススメだ。
高田馬場のリトルヤンゴン。次の休日、ちょっとした海外旅行気分を味わいたいなら是非歩いてみてほしい。
【高田馬場 リトルヤンゴン】
オススメ度:★★★
住所:東京都新宿区高田馬場
アクセス:高田馬場駅から徒歩約1分〜10分
定休日:店による
予算目安:1000円
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