羽田の裏名所「穴守稲荷神社」で鳥居の山を拝んできた

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1.日本の空の玄関口のそばに建つ神社を訪問

羽田空港から歩いて10分ほど。大通りから一本入った住宅街の中に、今日の目的地である「穴守稲荷神社」がある。

穴守稲荷神社

この神社はかつて数万基の鳥居が建ち並び、一方でGHQによって一帯を含めた強制退去による移転、不穏な噂の鳥居など様々な歴史の断片が垣間見れる神社なのだ。

神社の由来は江戸時代の後期に遡る。
羽田浦で起こった暴風雨によって堤防に穴が開いた際に、近くに祀られた稲荷大神の助力よって水没を免れたことがルーツといわれている。

訪れたのは週末の午後。境内に人影は少なく、旅行客で賑わう空港の喧騒からは想像もつかない静けさが漂っていた。

それでも神社の中は朱の鳥居と狐像が無数に立ち並び、普通の神社との違いが見え隠れしている。

2.強制退去と再建。神社を追われた人々の記憶

穴守稲荷神社は、かつては現在の羽田空港敷地内にあった。
しかし太平洋戦争後にGHQの命によって羽田一帯が接収され、神社と住民は突然の強制退去を強いられるという前代未聞の事態に遭遇する。

撤去までに与えられた時間は僅か数日。
この強制退去によって穴守稲荷は現在の場所に移されたが、元の神社の鳥居を壊そうとすると事故が起こる、祟りがある、そんな話が広まり大鳥居だけは取り壊されずに残された。

少し距離はあるけれど、せっかくなのでこの鳥居も訪れてきた。
今も空港の端で無言の存在感を放つその鳥居は、羽田の土地の記憶を黙して語る証人のようである。

3.鳥居、鳥居、鳥居の山

現在の神社は、1960年代に再建されたものだが、まず驚くのは鳥居の山だ。

穴守稲荷神社

元々穴守稲荷神社は、明治時代の中頃から朱鳥居を寄進することがブームになり、一時期は数万基の鳥居が奉納されるちょっと変わった神社でもあった。

穴守稲荷神社

現在も境内を歩くと鳥居、鳥居、鳥居。大小様々な鳥居の山を見ることができる。

ちなみに最寄駅である穴守稲荷駅を出てすぐのところに建つ鳥居は大手ゼネコン・大成建設が奉納した鋼鉄製鳥居だったりもする。

4.狐と砂と稲荷山を巡る

境内を奥へ進むと、2020年に整備された「奥之宮」が現れる。

塔のように築城された稲荷山は、戦前の築山を再構築した10メートル級の人工山だ。
その構造物の施工を担当したのは、かつて神社撤去にも関わった大林組だというから面白い。

穴守稲荷神社

奥之宮では神砂(おすな)という特別な砂が持ち帰れる。
玄関や土地に撒けば願いが叶うという言い伝えがあり、今も小さな袋に詰めて大事そうに持ち帰る人の姿が見られる。

5.歴史の軌跡が見え隠れするとっておきの裏東京スポット

派手さはないが、穴守稲荷神社では現在ではほとんど知られなくなった、しかしかつて確実にあった歴史の軌跡が見え隠れしている。

穴守稲荷神社

そしてこの裏の東京を象徴するような神社では、空港のそばという立地も手伝ってか、現世と異界の境界線に立っているような不思議な感覚を味わえる。

穴守稲荷神社

朱の鳥居のトンネル、静かな境内、語り継がれる祟りの噂。
羽田に訪れた際には、少し距離はあるけれど、是非一度は訪れてみてほしい。

【穴守稲荷神社】
オススメ度:★★★
住所:東京都大田区羽田5-2-7
アクセス:穴守稲荷駅から徒歩約3分
予算目安:0円
備考:旧一の大鳥居は東京都大田区羽田空港1丁目。現在の穴守稲荷神社より徒歩約10分
公式ウェブサイト:https://anamori.jp/
※記事執筆時点での情報

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